カスタムERP 大臣エンタープライズ

カスタムERP 大臣エンタープライズ

成功事例

株式会社アミューズ
株式会社アミューズ
ロゴ

株式会社アミューズ

  • 所在地:東京都渋谷区桜丘町20-1
  • 代表者:畠中 達郎
  • 設立:昭和53年(1978年10月)
  • 従業員数:385名(アミューズグループ) ※2017年3月末
  • 資本金:15億8,782万円
  • 売上高:506億4,700万円(連結) ※2017年3月末
  • 上場取引所:東証1部(証券コード 4301)
  • 事業内容:アーティストマネージメント、メディアビジュアル、コンテンツ、プレイスマネージメントほか
  • https://www.amuse.co.jp/

大手芸能事務所のグッズ販売管理を統合・一元化
発注から売上分析までトータルサポート

大手芸能事務所のアミューズは、多くの人気アーティストのマネージメントをはじめライブ・イベント企画、版権管理など、幅広い事業を展開しています。
今回、アーティストのオフィシャルグッズ販売業務を管理するシステムとして『大臣エンタープライズ 販売管理』を導入しました。
混在していたデータを統合し、販売管理全体の効率化を実現。業界独特の管理方法にもフィットしています。

  • 在庫管理以外が未着手だった一連の販売管理業務をトータルでシステム化
  • 負担が大きかったアナログ管理。自動連携で業務効率化・ヒューマンエラー防止
  • 機能が不十分だった従来の在庫管理。カスタマイズで要件に応じた柔軟な運用を実現

販売管理全体をシステム化し 業務効率とコンプライアンスを向上

新システム構成図

これまでアミューズのグッズ販売部門では、在庫管理のみがシステムで運用されていました。

「ファンクラブ会員管理システム内の在庫管理機能を使用していましたが、在庫管理に特化したものではなく、機能が不十分でした。グッズ販売やECサイト運営システムとの乖離が大きかった事から、システム刷新の必要性を感じました。また、その他の発注や販売管理業務全体のシステム化も未着手という状態でした。当社全体においてもグッズ販売の収益はかなり重きをなしており、業務の効率化は全社的な課題でした。」(清水氏)

そこで、一連の販売管理のシステム化に踏み切りました。

パッケージでありながら細かい要望に対応できる柔軟性を求めていた

インタビュー人物

グループIT企画部 部長
清水 邦夫 氏

アミューズが新システムに求めていた条件は、パッケージの標準機能に加えてカスタマイズが可能なシステム。使い慣れた従来の帳票のフォーマットに合わせたいという要望と、同社独自の販売管理方法に対応するには、部分的なカスタマイズが不可欠でした。これらの課題を最短で解決するために採用されたのが、柔軟性の高いカスタムパッケージ『大臣エンタープライズ』です。

「フルスクラッチ開発だと全てを一から作らなければならず、導入コストを抑えられるパッケージである事、かつカスタマイズ可能である事を重視していました。この業界の販売管理は考え方や実務が他業種とは異なり、機能が固定されたパッケージでは対応が難しい部分があります。そうした部分を必要に応じてカスタマイズできるという必須条件のもと、いくつかの候補から選んだのが『大臣エンタープライズ』です。」(清水氏)

これまで使い慣れた操作画面が変わってしまう事も、現場のスタッフにとっては致命的です。業務に支障をきたさず、極力シームレスなシステム化を実現するために、カスタマイズは必須でした。

「ライブやイベント当日は会場に精算書を持参し、その場でグッズの在庫を数えてデータ入力を行っています。従来の帳票は、私達が操作しやすいようにブラッシュアップを重ねて設計されたものでした。現場でスピーディーに販売業務を行うためには、これまで使い慣れた画面のインターフェースに近づける必要がありました。」(高橋氏)

売上伝票もECサイト用とライブ会場での物販用で分け、それぞれの担当者が見やすいように設計。EC用の売上伝票では同社のECサイト「アスマート」とのデータ連携に対応し、業務に沿った活用法を可能にしています。年末の音楽番組の反響で数万件の注文が殺到した際も、スムーズな処理が行えました。

煩雑なExcel作業から脱却し、手間や数字の不整合のリスクを軽減

『大臣エンタープライズ』導入以前は、ライブごとの決算書をExcelで管理していた同社。手作業の多いアナログな業務には改善すべき点が多く、頭を悩ませていました。

「その日の販売数や在庫数を入力して精算書を作成した後に、次は累計表、さらに次は決算書と、複数の帳票に何度も同じようなデータを入力していました。Excelでの管理だと何かと効率が悪く、システム上で自動的に計算して帳票が完成する仕組みがあれば良いのにと感じていました。

現在は『大臣エンタープライズ』に必要な情報を入力して精算書が一枚できれば、そのデータをもとに累計表や決算書が自動作成されるため、入力作業の手間が大幅に削減できています。」(高橋氏)

手作業での決算書作成は、二重入力だけでなく帳票上の数字の不整合といった問題も引き起こしていました。

「Excelで作成した帳票だと、情報が抜けていたり誤りがあっても辿るのは困難です。また、品目数や計算式をその都度編集したり担当者が各自でアレンジを加えたりすると、精算書上の数字と実際の金額が合わない事もあり、システム化でデータを共有する必要性を感じていました。また、担当者変更の際の引き継ぎを円滑に行うため、引き継ぎ資料のアーカイブ化も要望のひとつでした。」(高橋氏)

売上伝票もECサイト用とライブ会場での物販用で分け、それぞれの担当者が見やすいように設計。EC用の売上伝票では同社のECサイト「アスマート」とのデータ連携に対応し、業務に沿った活用法を可能にしています。年末の音楽番組の反響で数万件の注文が殺到した際も、スムーズな処理が行えました。

ライブ会場での多忙な業務と独自の在庫管理の流れに対応

インタビュー人物

MD事業部 部長
高橋 由香里 氏

アミューズの所属アーティストのグッズは、ECサイトではもちろん、ライブ会場での販売においても高い人気を誇ります。非常に多くのお客様が並ぶ売り場をスタッフがスムーズに捌くため、在庫管理に工夫が施されています。

「スペースが限られているライブ会場では、商品を全て売り場に出す事ができません。どうしてもストックの場所を分ける必要があるので、ひとつの会場内でも、売り場以外にストックヤードやトラックなど数カ所に在庫を置いています。売れ行きを見ながらその都度必要な数を補充するためには、何の在庫が今どこに何個置いてあるかを画面上ですぐに把握できなければなりません。そこは『大臣エンタープライズ』導入時に調整し、システムに落とし込みました。」(高橋氏)

ストックヤードが離れた場所に複数あるという事は、一般的な小売店ではなかなかありません。システム側が現場の業務に沿って柔軟に対応していく必要があります。

「また、小売店だとPOSレジ上の売上数イコール実際の売上数になると思いますが、ライブ会場では必ずしもレジでのデータ管理は行っていません。『(販売前の在庫数)−(現場に最終的に残った在庫数)=(実際の売上数)』という引き算方式で算出しており、その処理ができるよう、カスタマイズを行いました。こうした部分もこの業界独特だと思います。」(高橋氏)

ライブ会場における物販ならではの在庫管理にも、『大臣エンタープライズ』の自由度の高さが貢献しています。

発注業務の適正化で社内コンプライアンスを強化

業務フロー図

システム化されていない業務に不都合が生じていた同社。発注管理においても例外ではなく、正確なデータの集約が困難でした。

「発注業務は電話での口頭連絡やメールで行っており、データ管理がされていない状態でした。商品の在庫数も最終的な数しか確認できず、在庫が100個あっても、そこに至るまでの発注や出荷の過程を追いきれない事もありました。そのため、在庫データと倉庫の実際の在庫数に差異が生じた場合の調査手段も複雑で、非効率的でした。『大臣エンタープライズ』で発注業務がシステム化されてからは、必要なデータを確実に入力し、発注から承認までを管理できるよう、オペレーションを見直しました。」(清水氏)

コンプライアンスの観点からも入出荷のエビデンス(証拠)が把握できるようになり、発注業務の見える化という結果をもたらしました。

各種データを統合・集約し多面的な売上分析が可能に

インタビュー人物

アリーナシステム株式会社 東京支店長
松村 考治 氏(中央)

発注データも含め、複数のシステム連携でやり取りしていたデータを統合・一元化。それによる売上分析の質の向上も『大臣エンタープライズ』導入における狙いのひとつでした。導入パートナーであるアリーナシステム株式会社からも高い評価を得ています。

「これまでの売上分析ツールよりも詳細なデータが取得できるようになりました。アドオン対応で用意した分析メニューで在庫数の差異が見つけやすくなったほか、購入率や男女比など、あらゆる売上情報を集約できるようになり、売上分析の幅も広がりました。『大臣エンタープライズ』の充実した標準機能とあわせて、現場の方々の要望を極力吸い上げる事ができています。」(アリーナシステム 松村氏)

販売管理のトータルサポートとシステムの全社展開を目指す

アミューズの販売事業の包括的な管理と独自の業務形態をサポートする『大臣エンタープライズ』。同社では現場業務のさらなる効率化に取り組んでいます。

「システムを先行して作り込んだ分、現場での運用が追いついていない面もあります。詳細に出るようになったデータをチェックし、活用していくための管理方法を考えていく必要があります。現在は、商品の発注の際に卸や倉庫業者のシステムとも連携できるような共通の番号を発行して一元管理し、発注から請求までのフローの効率化に繋がるよう調整中です。あとはECサイトの発注データの自動連携など、連携部分も極力シームレスにして、ひとつのパッケージで処理できる管理業務の幅を広げたいですね。

将来的には、音楽やアーティストのDVDを販売している部門の在庫管理システムも『大臣エンタープライズ』で統合、ひいてはグループ会社も含めたアミューズ全体の在庫管理の統括を視野に入れています。」(清水氏)

これからの同社の事業発展に、『大臣エンタープライズ』がますます貢献できそうです。

※本事例の記載内容は取材時(2017年4月)のものです。
※文中の社名・製品名・サービス名は、各社の商標または登録商標です。